はじめに
試合の最初の一球を決めるサーブは、テニスにおいて唯一「自分が完全に主導権を握れるショット」です。
しかし初心者にとっては「ネットにかかる」「力が入らない」「フォームが複雑」と、最初の壁になりがち。
正しいフォームを早いうちに体に覚えさせれば、スピードやコースの精度が向上し、試合展開を大きく有利にできます。
ここでは、初級者が無理なく習得できる基本ポイントと練習方法を、雑誌スタイルで詳しく解説します。
サーブは“攻撃の第一歩”
サーブは単なる試合開始の合図ではありません。相手にプレッシャーをかけ、ラリーを有利に運ぶための「最初の攻撃」です。
安定したサーブを持つことで、リターンを打たせにくくし、自分の得意な展開に持ち込めます。
初級の段階から“入れるだけ”ではなく“狙って打つ”意識を持つことで、上達スピードが格段に変わります。
まずはグリップを確認
サーブに最も適した握り方は「コンチネンタルグリップ」。
ラケットを立てて握手するように自然に持つと、この握りになります。
面を自在にコントロールでき、フラット、スライス、スピンなど多彩なサーブへの発展も容易。
手首に余裕を残すことで、スナップを効かせた鋭い回転がかけやすくなります。
初心者のうちは、まずコンチネンタルで“入れる”感覚をしっかり身につけましょう。
構えとトスが成功の8割
サーブの精度を決める最大の要素は「トス」。一定の高さと位置に安定して上げられれば、半分は成功したも同然です。
スタンス:足を肩幅に開き、利き足をやや後ろへ。バランスを保ちながら体を横向きに構えます。
トスアップ:腕全体を使ってゆっくりと上げ、手首の力は抜く。ボールは頭のやや前方、1時方向(右利きの場合)に落とすイメージ。
目線:ボールが落ちてくるまでしっかり見上げることで、打点がぶれにくくなります。
トスが安定すれば、スイングの再現性も高まり、サーブ全体が驚くほど安定します。
スイングの基本
テイクバック:ラケットを背中側に倒し、肩と腰をしっかりひねります。
インパクト:肘を伸ばしながら真上に振り抜き、ラケット面でボールを“押し上げる”イメージ。
フォロースルー:打った後はラケットを体の反対側へ大きく振り下ろし、体重を前足に移します。
ポイント:腕の力だけに頼らず、脚の踏み込みと体幹の回転でパワーを生み出すこと。これがスピードと安定性の両立につながります。
ありがちなミスと修正法
ネットにかかる:トスが低すぎる、または打点が後ろ。ボールを頭より少し前に上げる意識を。
アウトする:ラケット面が開きすぎ。インパクト時に面をやや前傾させる。
力が入らない:腕だけで打っている可能性。脚の蹴り出しと腰の回転を意識してみましょう。
自分の失敗パターンを知れば、修正ポイントが明確になります。
おすすめ練習メニュー
トス練習:ラケットを持たず、同じ位置に10回連続でトスを上げる。
フォーム確認サーブ:スピードは抑え、安定したスイングを意識して1球ずつ。
ターゲット練習:サービスボックスの四隅にコーンを置き、狙った場所に10球連続で打つ。
毎日10分のトス練習だけでも、サーブ全体の安定感が飛躍的に向上します。
まとめ
サーブは「グリップ」「トス」「全身の連動」の3つが鍵。
初心者のうちにこれらを正しく身につけることで、中級・上級になったときのサーブ力が大きく差をつけます。
“安定したトス”と“体全体でのスイング”を意識して、焦らず一球一球丁寧に練習を重ねましょう。
試合で自信を持って放つ力強いサーブは、あなたの最大の武器となるはずです。
